研ぎたての 刃のごときを 身にまとひ 出でゆく夫の 背をみつめをり   河野泰子

なんとなく引っかかる詩です。
私の考えの基礎にあなたはいる。それはどうしようもないこと。私は覚悟を決めて、そうしています。
でもね。
あなたはそうじゃないんだろうな。他にやらなきゃいけないことが沢山あるから。学生とは責任の重さが違うから。
でもね。
私はそのことを思うと私はやっぱり哀しい。スーツを着た瞬間の背筋。いつもと違う歩幅。少し鋭くなる視線。理屈なんかじゃなくて。あなたは分からないという顔をするけれど。
でもね。
それが、おんなごころ。